

神前式の疑問を全て解決!実際に参列したから分かる神前式の注意ポイントとは?
結婚式で1番最初に考えることはウェディングドレスを着るか、着物を着るか・・・ということではないでしょうか。
どちらを着るかによっては選ぶ式場も変わってきますよね。
しかし、この点で頭を悩ませる新郎新婦はあまりいないかと思います。
なぜなら、ほとんどの女性は小さな頃から自分の結婚式に対するビジョンを持っているからです。
子供の頃から真っ白なウェディングドレスに憧れてた、という女性は多いかと思います。
最近ではドラマや映画で描かれる結婚式や、報道される芸能人の結婚式はほとんどがウェディングドレスを着たものなので、
結婚式といえばウェディングドレスを着て教会で挙げるもの!という考えが浸透しているかと思います。
しかし、着物を着た神前式も最近ではじわじわと人気があがってきているんです!
まずは神前式に参加した率直な感想をお伝えします!
私は1度だけ、神前式に参列した経験があります。
神前式とは何かをご紹介する前に、その時の感想をまずお伝えします。
これから神前式を挙げるか考えている新郎新婦には、このような感想を持った人もいるということを何かの参考にして頂ければと思います。
正直に言って、神前式はつまらなかったです・・・・。
友人の席が用意されている場所は、新郎新婦からはものすごく離れていて、
前には親族がずらっと新郎側と新婦側に一列に並んでいるんです。
そのため、新郎新婦と神主さんが行っている儀式みたいなものはまったく肉眼では確認出来ませんでした。
立ち上がることも出来ない雰囲気なので、写真を撮ることも出来ない。
一通り式が終わったかなと思ったら、なんと始まったのは親族紹介!
座っていた親族が一人ずつ名前と続柄を言い始めました。
しかも、新郎側の親族が多くその親族紹介がやたら長い上に、マイクなどは使用しないので
何を言っているのか全く聞き取れませんでした。
親族紹介が終わると新郎新婦が退場し、外で写真タイムがあり、小型のバスで披露宴会場に移動しました。
以上が私が経験した神前式なのですが、神前式は新郎新婦と親族のためのものという印象を受けました。
友人はただただ遠くから見ているだけで、完全に蚊帳の外といった感じです。
やはり結婚式は、きれいな姿の友人をばっちり目に焼き付けて、たくさんの写真を撮りたいと思いますよね!
しかし、神前式ではそれが一切出来ず、物足りなさを感じてしまいました・・・。
また、大変だった点が1つあります。
それは着物を着たことです!
新婦の要望があり、参列した友人は全員が着物を着たんです。
やはり、着物は着るのに時間がかかる。そして動きにくい!
二次会のために着替えるのも、物凄く手間でした。
神前式に参列した思い出は、着物を着るのが大変だったことと蚊帳の外であったことが大部分をしめています。
私がそのような思い出しか残らなかった理由は、神前式とは何かということを少しも理解していなかったからだと思います。
神前式とはこういうものだという心構えさえ出来ていれば、
神社という空間の中で静かな気持ちで、遠くにいる新郎新婦を見つめることが出来たのではないか、
と今となっては思っています。
神前式ってなに?衣装・流れ・費用などなど・・・
神前式と聞いて、パッと思い浮かぶのは何でしょうか。
神社、白無垢・・・・情けないことに私はこれしか思い浮かばない程、神前式に対して無知でした。
神前式に参加して、私のように残念な思いをしないためにも、
また日本人であるからには外国人に聞かれたときにさっと答えられるくらいにはしておきたい!
ということで、神前式についての基本知識をご紹介します。
人前式の流れ
人前式の流れをざっと紹介します。
①参進の儀(さんしんのぎ)
巫女さんに先導されて神殿に向かう。
ゆーっくり神社の外から神殿に向かって新郎新婦、親族が並んで歩くやつです。
この時、友人はすでに神社の中に入って座っています。
②入場
儀式が行われる場所に入ります。
③修祓の儀(しゅばつのぎ)
挙式の前に、新郎新婦と参列者が心身を清めるために受けるお祓い。
④祝詞奏上(のりとそうじょう)
斎主による結婚を神様に報告する祝詞。
⑤三献の儀(さんこんのぎ)
三三九度の盃。
この言葉は何となく耳にしたことがありますね。
ドラマとかで見るお酒をちょっとずつ飲むやつです。
⑥神楽奉納(かぐらほうのう)
巫女さんによる舞の奉納。
こちらは、神社によっては無い場合もあります。
私が参列した神前式ではこの舞はありませんでした。
⑦誓詞奏上(せいしそうじょう)
誓いの言葉
⑧玉串奉奠(たまぐしほうてん)
玉串(榊)を神前に捧げて、最後に二礼二拍手一礼
⑨指輪の交換
もともとは無い儀式でしたが、昭和30年頃から取り入れられ始めたそうです。
それまでの儀式は何をやっているか全くわからなかったので、
この指輪の交換が始まったときには何か安心感があったのを覚えています。
⑩親族杯の儀(しんぞくさかずきのぎ)
両家の結びつきを祝って、新郎新婦と参列者が全員でお神酒を3口で飲む。
私が参列した式では、この時に親族紹介がありました。
⑪斎主挨拶
⑫退場
以上が神前式の流れです!
読み仮名が無いと読めないような難しいタイトルが付いているので、ちょっと取っつきにくいですよね。
指輪の交換までは、正直何が行われているかさっぱり分かりません。
しかし、ただただ厳かな気持ちで新郎新婦を見つめましょう。
また、何をするか分からないというのは新郎新婦も同じですよね!
私は式場内のチャペルでの人前式をしましたが、式の前に簡単なリハーサルがありましたし、
本番中も司会者とメイク担当の方が進行サポートをして下さったので迷ったりすることは一切ありませんでした。
神前式の場合もそれは同じです。
リハーサルはありますし、介添え人の方がサポートして下さるので難しい工程を全て暗記する必要はありません。
女性の衣装の種類
なんと、女性の衣装は白無垢だけではないんです。
白無垢
もっとも格式の高い花嫁衣裳とされています。
打掛(一番上に掛ける着物)、掛け下(打掛の下に着る振袖)、その他の小物類、下着まで、すべてが白で統一されています。
白には「清らかな身と気持ちで式を迎え、嫁いだ先の色に染まる」「嫁ぎ先のどんな色にも染まります」などという意味が込められています。
結婚式といえば白というイメージがあるので、あまり深くその意味まで考えたことがなかったのですが、
このような意味が込められていると知ると白を着る重責を感じますね。
※歴史的な豆知識
白の衣装は室町時代から儀式や式典などさまざまな場所で用いられていましたが、
花嫁衣裳にのみ着られるようになったのは、明治以降でした。
色打掛
白無垢と同等に格式が高いとされています。
白無垢の部分にも少し書きましたが、打掛とは着物の上に羽織るもの、ガウンみたいなものです。
この色打掛、白無垢とは違いとにかく華やか!
色は赤・金・ピンク・青など様々な色があり、鶴や松などめでたいとされるものの豪華な刺繍が施されています。
パッと目を奪われる華やかさで、かわいいんです!
挙式を白無垢で行い、お色直しで色打掛を着る方が多いですが、
色打掛は白無垢と同等の扱いの衣装なので、挙式からでも問題なく着ることが出来ます。
※歴史的な豆知識
色打掛は武家の花嫁衣装でした。
黒引き振袖
色打掛というものの存在は何となく知っていたのですが、黒振袖というものを私は初めて知りました!
黒引き振袖は白無垢とも色打掛とも違い、かっこいい印象です。
黒引き振袖という名前の通り、色は黒で、着物の裾が少し引きずるくらい長くなっています。
裾が長いのは、通常の着物のおはしょり部分をあまり取らないためです。
白の意味とは反対に黒には「あなた以外の色にはもう染まりません」という意味が込められています。
白の「あなた色に染まります」という女性らしい意味に比べると、
結婚に向けた女性の強さを感じるようなかっこいい意味ですよね。
白無垢と色打掛との1番の違いは、打掛を着ないので背中の帯が見えることです。
また、打掛を着ないことで軽くて動きやすいという違いもあります。
角隠しという帽子を被ると挙式にも着用することが出来ます。
※歴史的な豆知識
黒引き振袖は江戸後期から昭和初期まで一般的な花嫁衣裳として広く着られていました。
NHKの朝ドラや時代劇なんかで良く目にすることが多いですよね!
男性の衣装の種類
男性の衣装は女性と格を揃えなくてはいけないので、第一礼装の黒五つ紋付き羽織袴を着用します。
・黒
・背中、両袖、両胸の5つに家紋が入っている
・羽二重の羽織
このような特徴があるため、普通の袴とは違いがあります。
費用について
一般的な挙式披露宴でかかる費用で最も多い金額は200万円~300万円といわれています。
これは、神前式であってもキリスト教式であっても同じです。
私が参列した神前式を行った友人の初期の見積もりは、220万円でした。
初期はすべてが1番安いプランで見積もりが出されているため、最終的には50万円以上はプラスされたと思います。
価格で1番変わってくる部分は衣装です!
白無垢・色打掛・ウェディングドレス・カラードレスで比較すると、色打掛が1番高くなる傾向があります。
色打掛は刺繍が特徴的であり、1点ものが多かったりという理由があるためです。
日本髪でカツラを着用することを選択すると、追加で3万円~10万円かかったりという場合もあります。
少し脱線するのですが、以前ラジオでアメリカ人の英会話講師の方がおもしろい話をしていました。
その方は日本人の方と結婚して、日本とアメリカでそれぞれ式を挙げ、日本では神前式をしたそうです。
ラジオでは日本の神前式のこんなことに対して、怒っていました・・・。
「白無垢を着るのに私は外国人だからカツラは付けないことにしたの。
でも、プランに入っているからカツラを付けないとしてもその代金を抜くことは出来ませんって言われたのよ!
付けないものにお金を払わなきゃいけないなんて理解出来ない!!」
付けないカツラに代金を払わなければいけないなんて、日本人であっても怒りますよね。
白無垢の時には日本髪にしなければいけないと思っていたのですが、
今では洋髪という選択肢があって、お花を付けたりとってもかわいい髪形に出来るんですよね。
私は、沢尻エリカが結婚式で頭にユリの花をたくさん付けているのを見た時に初めてその事実を知りました。
私と同じようにあの髪形に衝撃を受けた方は多いのではないでしょうか・・・?
しかし、髪形が自由に選択出来ても、金額面では融通がきかないことがあるのが日本のお堅い部分なんですよね。
私がラジオで聞いた外国人英会話講師の方のような経験を避けるためにも、契約時にその辺りの細かいことを確認しておくことも大事ですね!
収容人数
私が蚊帳の外だったと感じてしまった点にかかわってくる点が収容人数です!
こちらは、神前式を挙げようと考えている新郎新婦は要チェックのポイントだと個人的には思います。
神前式は実は新郎新婦と両家の繁栄を祈るものだったんです!
そのため、親族のみが出席できるものでした。
友人が出席できるといっても、親族が優先であるというポイントは変わりません。
なので、私が感じた蚊帳の外という印象は間違いではなかったんですね。
神殿の収容人数は40名ほどが基本とされています。
しかし、それは神社によって様々です。
もし、友人も含めて式に参加して欲しいという希望があるのであれば、この収容人数は要確認ポイントです!
親族が優先なので、親族が全員着席した上で友人が座れるスペースが空いているかという判断になります。
人数的に式に参列することは出来なくても、神殿に入る際の参進の儀(さんしんのぎ)を見ることや、退場後の写真撮影を一緒にすることは可能です。
どうしても式を見たいという友人がいる場合は、披露宴会場への移動方法なども含めてプランナーさんに1度確認をしましょう。
実はかわいい!今時の神前式!
私は神前式はちょっと嫌だな・・・と子供の頃から思っていました。
その理由が髪形なんです。
着物で結婚式をすると必ず時代劇のような日本髪にしなければいけないんだ。
と思い込んでいました。
しかし、先ほど費用の部分でもちらっと紹介しましたが、今は洋髪という選択肢があるんですよね!
この洋髪での着物姿がとってもかわいいんです!
少しですが、白無垢・色打掛の現代風コーディネートをご紹介します。
いかかでしょうか?
とってもかわいいですよね!!
去年ウェディングドレスで結婚式をしましたが、写真だけでも今から色打掛を着て撮りたい・・・と思ってしまいました。
まとめ
友人の神前式に参列して、つまらなかったという感想を抱いた私ですが、
現代風のかわいい着物コーディネートを見て完全に心を奪われました。
つまらなかったという感想は、神前式が親族の為のものであるということが頭に入っていれば抱かなかったと思います。
今後、神前式に参列することがあったとしても、その時は静かな気持ちで参列出来る気がします。
費用面ではほぼ、キリスト教式も神前式も変わりません。
なので、結婚式といえば真っ白なウェディングドレスだ!
と決めつけてしまっている方がいればぜひ視野を広げて頂きたいです。
ウェディングドレスも白無垢も一生に一度しか着れないものと考えられていますよね。
ただ、ウェディングドレスって1万円くらいでかわいいものがすぐ購入できちゃうし、自分で簡単に着ることが出来ます。
そう考えると一生に一度という壁は白無垢などの着物の方が高い気がしました。
去年結婚式を挙げ終えた私ですが、現時点で心は完全に着物に奪われています・・・。
ただ、神前式には収容人数の面など気をつけなければいけない点がたくさんあるのは事実です。
これから式を挙げる新郎新婦にはぜひ広い視野を持って、キリスト教式か神前式かを選択して頂きたいです!
日本大学芸術学部写真学科卒業。
テレビ局での情報番組・ドキュメンタリー番組の制作経験を積み、2013年、フリーランスの映像ディレクターとして独立。
映像ブランド、「DEPO LABO」を立ち上げる。
ドキュメンタリーに特化した、企業広告、ウエディング映像、ミュージックビデオ、写真作品等を制作。
企画、制作、撮影、編集、納品までの全工程を請け負う。
一般のクリエイターを対象に、映像制作のレクチャーも行っている。
WRITERS ARTICLE日本大学芸術学部写真学科卒業。
テレビ局での情報番組・ドキュメンタリー番組の制作経験を積み、2013年、フリーランスの映像ディレクターとして独立。
映像ブランド、「DEPO LABO」を立ち上げる。
ドキュメンタリーに特化した、企業広告、ウエディング映像、ミュージックビデオ、写真作品等を制作。
企画、制作、撮影、編集、納品までの全工程を請け負う。
一般のクリエイターを対象に、映像制作のレクチャーも行っている。
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